2011年10月27日木曜日

「藁人形売りの少女」小南泰葉

最近、毎日聴いている音楽がある。
小南泰葉というシンガーソングライターの曲・・・
このブログに最近の音楽の事を書くことになるとは、夢にも思っていなかった。
この15年ぐらい新しい音楽は全く聴いていなかった。音楽というジャンル自体に失望していた。
もう新しい音楽からは何も得られないんじゃないかと・・・
その僕が本当に久しぶりに最近の音楽を聴いている。

きっかけは偶然だった。僕の知り合いに「賃貸人格」という名前のものすごく変わった女性アーティストがいるのだが、その人の曲に「愛しの藁人形」という曲がある。Youtube にこの曲を聴きにいったときに、関連動画の中に気になる曲があった。それが「藁人形売りの少女」だった。何気なくクリックしてみると・・・

まず第一声を聴いた瞬間、圧倒されてしまった。とてつもなく素晴らしい声だった。久々に声に感動した。メロディーは僕の一番好きなクラシカルタッチの幻想的な曲。そして背後に悲しみを秘めた不思議な詞の世界。まるでビートルズのように、美しいメロディーと難解で不思議な詞や前衛性が同居する、何もかも最近ずっと出会うことのなかった世界だった。

ちょっと大袈裟かもしれないが、音楽というジャンルに見切りをつけるのはまだ早いかなと思い直した。

新譜に近いCDを購入したのは何年ぶりだろう?カップリングの「世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄」という意味不明なタイトルの曲がこれまた素晴らしい。一見アップテンポの元気がでる曲にも見えるのだが・・・よく聴いてみると、
「どうして菊が机に咲くのですか」
などという、これまた特異な詞の世界が繰り広げられている。
Youtubeには他にも何曲かライブ映像がアップされているが、その中では「コウモリの歌」という曲の出だしのメロディーが凄く好きだ。

藁人形つながりで出会った小南泰葉という才能。僕にとっては、もう一度音楽を見直す大きなきっかけになっているような気がする。